ペットフードのコリンについて。合成できるが体外からの摂取も必要。手作りペットフードでは不足しがちな栄養素

コリン(choline)とは

日本食品標準成分表にも記載がないコリン。ペットフードにおいてはAAFCOの基準が定められている栄養素です。

コリンはビタミンB群に属する水溶性ビタミン様作用物質で犬猫ともに体内である程度は合成することができます。しかし十分な量を合成できるわけではなく、食事など外部からの摂取が必要です。

そしてコリンは動物体内で蓄積しないと考えられているので過剰摂取になることはないものと考えられています。またこれまでに安全性に関する問題も認められていません。

参考:対象外物質 評価書 コリン食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会 食品安全委員会農薬専門調査会(PDF)

レシチンの材料となる

コリンはリンと結合してレシチン(リン脂質)となる物質で、レシチンに約13%ほど含まれています。

レシチンは細胞膜の主成分となるため、レシチンが不足すると細胞膜が正常に作動しないなどの影響があります。また神経伝達物質であるアセチルコリンにもなります。

AAFCOによるコリン必要量

1000lcal中必要な量成長期・妊娠期(mg)維持期(mg)
340340
750750

参考:2016 AAFCO Midyear Meeting Committee Reports(PDF)

コリンを含む食材

コリンは日本食品標準成分表に記載がないため、USDAなどのデータを確認することである程度コリンを含む食品を確認することができます。

食品コリン(mg/100g)
チェダーチーズ17
生卵250
牛乳 3.25%脂肪14

参考:USDA Database for the Choline, Content of Common Foods(PDF)

この他にも大変古い書籍にはなりますが、the complete no-fads-plain-facts guide to healthy eatingにもコリン含有量の記載がありますので参考になります。

ドッグフードの添加物としては塩化コリンなどが添加されていることがあります。

コリン欠乏症

コリンは体内でも合成できるため、欠乏症はなかなか考えずらいですが、細胞膜が正常に作用しない、体重減少、嘔吐、肝機能の低下、肝脂肪蓄積などが起こります。

手作りレシピでは不足しやすい

日本食品標準成分表に記載がないことからあまり意識することのない栄養素ですが、犬猫にとっては最低限必要量が定められている大切な栄養素です。

特に手作りレシピの多くで不足しやすい栄養素ですので卵やレバーなどを利用すると良いでしょう。

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10匹以上の猫を飼っているお酒が好きな元気なおじさん。大量のキャットフードを購入することもあり、安価でありながら安全なキャットフードを探している。
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