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多くの原材料を使用しているペットフードのデメリットは?
弊社のロニーキャットフード、エリザベスキャットフード、ウィリアムドッグフードも40種類以上の原材料を使用しています。
使用したことによってわかった多くの原材料を使用しているメリット・デメリットを解説したいと思います。

多くの原材料を使用しているデメリット…メリットの方が多くありそうですけどね?
大きくは以下の通りです。それぞれ詳しく解説していきます。
- 原材料の調達コストが高くなる
- 世界情勢の影響を受けやすい
- 収穫時期によって原材料の品質が変わる
- アレルゲンに出会う可能性が少し高まる
原材料の調達コストが高くなる
多くの原材料を使用しているということは、当然手配が必要になる原材料が多いということになります。
40種類もあれば収穫時期にも違いがあり、原材料購入のタイミング次第では、今回はこっちの原材料は安いけど、こっちの原材料が高いといったことが起こります。
因みに弊社の場合は全て個別に仕入れているわけではないので、ある程度まとめて用意していただける仕入れ業者の提示する総価格が上下します。

種類が多いとバランスを取るのが難しそうですね…
厳密にいえば原材料調達のための輸送回数も受け入れ回数も増えるわけですし、このようにコストが安定しないので、どうしても少し余裕を持った高めの製造価格設定になってしまいます。
ある程度流通量があれば生のもの以外は一括仕入れで保管しておくこともできますが、コンテナ一本ずつ購入する位のロットの場合は、一回ごとに原材料を購入するのでそうした割安にする取り組みができません。
その点、原材料が少ないシンプルなレシピで、原材料も乾燥に頼れるものが多い場合はさほどコストは上下しません。
世界情勢の影響を受けやすい
弊社の場合も例にもれず、コロナウイルスの影響で原価や海外輸送運賃が高くなってきています。特にコンテナ輸送価格はかなり高くなりました。
こうした事態では多くの要因から価格の影響を受けるわけですが、調達する原材料が多いと輸入国が多くなりがちなので世界情勢の影響を受けやすくなります。
弊社のフードは全てヨーロッパ産の原材料ですが、こうした事態では国によって輸送コストや調達コストにバラつきがでます。
弊社は販売価格に転嫁することはありませんが、状況が酷ければ転嫁せずにはいられない会社も出てくることも考えられます。
収穫時期によって原材料の品質が変わる
天然由来の原材料を使用している場合はどうしても起こり得る問題ですが、特に野菜類などは同じ原材料を使っていても収穫時期で状態が変わるので、製造ロットによって食いつきや味にも微妙な違いが出ます。
このため多くの野菜類の原材料を使用している場合は影響も大きくなるといえます。

こう考えると多くの原材料を使用することはとても大変なことであることがわかりますね!
ロイヤルカナンでもこの辺りを解説していますが、産地、収穫時期によって原材料の色も変化します。
https://www.royalcanin.com/jp/about-us/faqs
2年ほど製造にも関わってみて、目に見てわかるほどは変わっていませんが、変わったと言われれば変わったかな?という程度の変化は感じることがあります。

そうなんですね!猫にとってはその小さな変化も大きいかと思いますし、シンプルなレシピのものよりも、ロットによって食べが悪いといったことが多い可能性があるかもしれませんね。
アレルゲンに出会う可能性が少し高まる
これは原材料が多いということは、多くのものを摂取するということですので、そのどれかひとつにアレルギーがあれば出てしまうということです。

これは当たり前のことですね。
ただし、アレルギーが発症しやすい原材料のほとんどは肉類、魚類なのでその他の原材料は買う時点で気にするべきところではないかなと思います。
多くの原材料を使用しているペットフードのメリットは?
多くの原材料から栄養素を摂取することができることです。
ネコ科の動物は草食動物の胃の中で半消化された植物を食べることから、肉食であっても植物を摂取しないわけではありません。
こうしたことからも食べれる状態にした植物を与えることで、そこからしか得られない栄養素を摂取することができるようになります。

ドライフード・ウェットフードを主食とする猫は、制限されたものしか摂取できないですもんね。
毎日の食事となりますので、多品種を大量に配合する必要は全くありませんが、微かでも配合していることで日々の栄養摂取の助けになると考えられます。
まとめ
- 原材料の調達コストが高くなることで価格が高価になりがち
- 原材料調達を各国から輸入していると調達や輸送に関して政界情勢の影響を受けやすくなる
- 収穫時期によって原材料の品質が変わりますが、原材料が多いとその影響も大きくなりやすい
- 豊富な原材料を使用しているのでアレルゲンに出会う可能性が少し高まる

このように猫の生活を考えると、多くの原材料を使用しているキャットフードにはメリットが大きくあると思いますが、価格面などで若干デメリットが出てくるということになっているんですね。