キャットフード・ドッグフードのたんぱく質について。動物性と植物性の違いや必須アミノ酸を紹介

たんぱく質とは

キャットフード・ドッグフードの成分表示にはたんぱく質、脂肪(脂質)、繊維、灰分、水分の記載があります。これらがどういったものかと具体的にお話していきたいと思います。

たんぱく質とは英語でプロテインといいます。

スギさん
スギさん

プロテインといえば筋肉を作る時に利用しますね!

筋肉だけでなく、内臓や肌、髪の毛、爪、骨、血液、ホルモン、免疫抗体など体を構成する多くのものを作り出すための大切な成分です。

多数のアミノ酸が結合した高分子化合物です。80個以上のアミノ酸が結合した分子量10,000以上のものがたんぱく質。それ以下がペプチドといいます。

栄養学からするとアミノ酸もペプチドもたんぱく質としてよいとされています。

犬猫に必要なアミノ酸

たんぱく質は20種類のL-アミノ酸が多数連結してできています。

犬猫の必須アミノ酸

  1. アルギニン
  2. ヒスチジン
  3. ロイシン
  4. イソロイシン
  5. バリン
  6. リジン
  7. メチオニン
  8. フェニルアラニン
  9. トレオニン
  10. トリプトファン

猫の準必須アミノ酸

  • アスパラギン
  • システイン
  • グリシン(+セリン)

アルギニンは子猫は合成できないためです。

猫のタウリン

その他に猫にとって必須のものにタウリンがあります。猫は犬と違ってタウリンを他のアミノ酸から合成する能力が低いうえに、胆汁酸の腸肝循環でタウリンの喪失が大きく欠乏しやすくなっています。タウリンが少ない状態が続くと白内障を引き起こす可能性も言われています。

タウリンは植物性原料にはほとんど含まれていないため、動物性原料を摂取する必要があります。

犬と猫のタンパク質要求量

犬と猫のタンパク質要求量は以下の通りで、猫の方が平均1.5倍ほどタンパク質が必要となっています。

猫(g/MJフード)
犬(g/MJフード)猫:イヌ
成長期2942301.3
成長維持期2611671.6

猫にたんぱく質が多く必要な理由

猫にたんぱく質が必要な理由は、たんぱく質からエネルギーを作り出し、利用しているからです。肝臓でアミノ酸からグルコース(ブドウ糖)を作り出してエネルギーにしています。

人間や犬は炭水化物からエネルギーを作り出しています。

猫には高たんぱく質・低炭水化物がいいのか?

ある実験結果では猫は体内のたんぱく質量を実感として把握することができ、体が必要としている栄養素を求めて食事を選ぶとされます。

その必要たんぱく質量は摂取カロリーの50%程度になるよう自動的に調整されるとあります。これを満たすためには高たんぱく食である必要があり、完全肉食として考えられています。

スギさん
スギさん

猫が自分で体内のたんぱく質量を検知できるんですか!

またある実験結果では高たんぱく質、低炭水化物のキャットフードと、たんぱく質と炭水化物量が同じ位のキャットフードをそれそれ与えたグループに分けると、炭水化物を摂取していた猫は炭水化物を分解する細菌が多く認められたとあります。更にビフィズス菌などの乳酸菌も多く、腸内環境の改善に一役買っていたということです。

これはある程度猫が食事に適応することができることを表しています。

スギさん
スギさん

研究にでもどうすることが正しいのかはまだ明確ではないんですね…

現在の一般的な考えではたんぱく質は減らすべきではないとされ、炭水化物量も適度であれば問題ないとされています。

アミノ酸は摂取バランスが大切

以下の記事でも書きましたが、例えば不足しがちなリジンを与えすぎるとアルギニンが分解されて、アルギニンの方が欠乏してしまう恐れがあります。

また小腸にリジンが多いと、アルギニンの吸収が阻害され、アルギニン欠乏が起こります。

このようにサプリなどで補うには十分な検討が大切です。

ドッグフード・キャットフードのアミノ酸について。サプリでアミノ酸欠乏症を引き起こす可能性あり

植物性たんぱく質の20%がアンモニアに変化

犬猫において植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質がよいという話があります。最近は動物性たんぱく質も植物性たんぱく質も変わらないのではないかという話が出てきていますが、基本的には動物性たんぱく質の消化吸収率が高いとされています。

また植物性たんぱく質の20%は吸収されずアンモニアになってしまうため、肝臓に病気のある猫はより動物性たんぱく質のほうがいいとされています。

たんぱく質の好み

猫は植物性たんぱく質の嗜好性は高くないとされていますが、例え動物性たんぱく質であってもカゼインは余り得意としていません。このため必ずしも動物性たんぱく質だから全て好むという訳ではありません。

動物性たんぱく質への嗜好性は、動物性たんぱく質に含まれるアミノ酸やペプチドへの好みだと考えられています。

犬の場合は甘味に反応する味蕾の数が最も多いため、たんぱく質よりも糖類など甘いものに強く興味を示します。

まとめ

  • たんぱく質は内臓や肌、髪、血液、ホルモンなど多くを作り出している
  • 猫はたんぱく質からエネルギーを作り出せる
  • 人間と犬、猫の必須アミノ酸には若干の違いあり
  • 完全肉食がいいか適度な炭水化物は必要か、明確な答えはまだない
  • アミノ酸は摂取バランスが大切
  • 植物性たんぱく質より動物性たんぱく質の方がいいと考えられる
  • 猫のタンパク質の好みは動物性か植物性かではなく、アミノ酸やペプチドで決まると考えられる
スギさん
スギさん

犬猫にとって最も大切な栄養素のひとつ、たんぱく質。反面療法食やアレルギーでもたんぱく質は大きなポイントとなります。今後新しい情報が入り次第、修正、加筆していきます!

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スギさん

新婚さんで妊娠中。子どもができたことをきっかけに家族の健康について考え、10歳を超えた愛犬愛猫の健康も考えるようになった。現在犬猫の食事について勉強中!

エノおじさん

10匹以上の猫を飼っているお酒が好きな元気なおじさん。大量のキャットフードを購入することもあり、安価でありながら安全なキャットフードを探している。
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