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猫が合成できない栄養素
まずは猫が体内で生成できない成分を考えると違いが見えてきます。

犬と猫で体内で作れる栄養素に違いがあるんですね!
タウリン
猫はシスチンとメチオニンからタウリンを作り出すことができません。
犬は多くはありませんが合成できます。
タウリンが足りないと目、心臓、肝臓など多くの病気にかかる可能性があります。実際に昔はキャットフードというものがなく、ドッグフードとキャットフードは兼用でドッグフードを猫にも与えていました。しかしドッグフードにはタウリンは含まれていません。これによって多くの猫が疾患を患うことになりました。
そのタウリン不足が原因だとわかったのも1980年代と割と最近のことです。

AAFCOの最小値でドッグフードは配合がなく、ドライのキャットフードは0.1g(成猫維持期)です。
ナイアシン
犬もトリプトファンからナイアシンを1日の量には満たない程度しか合成できないが、猫はほとんど合成できません。
たんぱく質、炭水化物、脂質の代謝に必要なものです。

AAFCOの最小値でキャットフードの方が4.6倍です。
ビタミンA
βカロテンからビタミンAを生成できません。
猫にとって大切な暗闇での視力に影響します。その他にも皮膚被毛の健康や妊娠にも欠かせません。
犬は変換することができます。

しかしAAFCOの最小値では成猫維持期では犬の方が多くなっています。
アラキドン酸
猫はγ-リノレン酸からアラキドン酸を生成することができません。
オメガ6脂肪酸でオメガ3脂肪酸とのバランスが大切です。
犬は変換することができます。

AAFCOの最小値でドッグフードは配合がなく、キャットフードは0.02gです。
合成できない栄養素は添加されている
こうして体内で合成できない栄養素はキャットフードから摂取する必要があります。
しかしその多くは犬は自分で合成することができます。
合成できない猫に合わせたキャットフードを合成できる犬に与えると栄養過多になります。
AAFCOのドッグフードとキャットフードの養分基準の違い
多くの項目で猫が上回っていることがわかります。
犬が上回っている項目では亜鉛、パントテン酸が多く、ヨウ素がかなり多いだけで、他の項目はやや上回っている程度です。
ドックフードを猫に与えると栄養不足
こうしたことからドッグフードを猫に与えれば栄養不足になり、かつそもそも摂取できない栄養素がでてきます。
キャットフードを犬に与えると栄養過多
キャットフードを犬に与えれば栄養過多になることがわかります。
猫にドッグフード、またその逆を1回与えたらダメということではない
おやつ程度なら問題はありません。
それぞれがそれぞれに合わせた栄養成分値になっていますので、主食にしてはいけないということです。
またドッグフードにプロピレングリコールが含まれている場合は猫に与えてはいけません。
嗜好性の問題
猫は動物食性動物(肉食)であり、犬は肉食寄りの雑食です。
原材料としては肉が多いほど匂いが強くなります。このため犬がキャットフードを食べると嗜好性の高さにドッグフードを食べなくなる可能性もありますので注意してください。
ただ犬は元々肉食寄りの雑食で、匂いが強いものも弱いものも食べるので過剰な心配は必要ないと思います。
まとめ
- キャットフードとドッグフードは明確に違うもの
- 栄養素が違うので兼用としないこと
- 食べてはいけないものではないので食べても安心、大丈夫

もし愛犬のドッグフードを愛猫が食べてしまったり、その逆があっても問題はありません。ただし明確に栄養成分が違うので、兼用にしたりすることがないように注意しましょう!